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『駐在刑事』小説感想|奥多摩を舞台に人情と山暮らしを描く原作の魅力

『駐在刑事』小説感想|奥多摩を舞台に人情と山暮らしを描く原作の魅力 読書


奥多摩の山に囲まれた水根駐在所を舞台に、事件と共に地域との絆が描かれる、笹本稜平著『駐在刑事』を紹介します。

豊かな自然と人情味のある交流、そして不意に起こる事件が重なり合うことで、心に残るミステリーが生まれています。

『駐在刑事』とはどんな小説?

基本情報

・著者 笹本稜平
1951年生まれの日本の小説家で、立教大学社会学部を卒業しました。
2000年にデビューし、『時の渚』でサントリーミステリー大賞を受賞。
山岳小説や警察小説を得意とし、『駐在刑事』シリーズも人気です。
2021年に70歳で亡くなりました。
・刊行 単行本 2006年7月、文庫 2009年9月(講談社文庫)・ジャンル 警察小説・山岳ミステリー
・舞台 東京都奥多摩町・水根駐在所

あらすじ

物語の主人公・江波淳史は、警視庁捜査一課で活躍していたものの、ある事件をきっかけに奥多摩の水根駐在所へ異動となった刑事です。

地元の人々と触れ合い、相談に乗り、ときには事件に巻き込まれながら、静かな山村に潜む人間模様と対峙していきます。

都会の派手な事件ではなく、地域の暮らしの延長線上で起こる出来事を描くのが本作の特徴。
奥多摩の自然や人々の温かさに支えられながら、「刑事」と「駐在さん」という二つの顔を持つ主人公が、日常と非日常の狭間を歩んでいきます。

駐在刑事の魅力

奥多摩という舞台のリアリティ

『駐在刑事』の最大の魅力のひとつは、奥多摩という実在の地域を舞台にしていることです。
山や川、四季の移ろいが丁寧に描かれ、都会では味わえないゆったりとした時間の流れが感じられます。

私は奥多摩をドライブしたことはありますが、実際に歩いたことはありません。
しかし作品を通じてこんな感じかなと想像でき、自然の息づかいが伝わってくるようでした。
舞台が実在するからこそ、読後には「いつか行ってみたい」と思わせる力がありますね。

駐在さんという主人公の個性

主人公の江波は、ただの駐在さんではありません。
かつては警視庁捜査一課で活躍していた切れ者の刑事で、ある事件をきっかけに奥多摩へ左遷されたという過去を背負っています。

そのため、地元の人々には親しまれる“駐在さん”でありながら、事件に向き合う時には刑事としての鋭さを発揮する二面性を持っています。

普段は温厚で人情味があるのに、真相を追う姿は鋭い。
そのギャップがたまりません。

ドラマ化

『駐在刑事』はテレビ東京でドラマ化され、寺島進さん主演でSeason3まで続く人気シリーズになりました。

ドラマを通して奥多摩の風景や地元の人々の暮らしが映像として描かれることで、原作小説で感じた空気感がより鮮やかに広がります。

ただし、原作とドラマでは主人公・江波の人物像に大きな違いがあります。
原作小説の江波は、どちらかというと静かでナイーブな性格。
警視庁捜査一課から水根駐在所に移った後も、自分は「外から来た人間」と感じており、住民との関係には慎重で距離を置いています。
責任感や義務感を強く持ちつつも、過去の事件の重みから葛藤や罪悪感を抱える繊細な人物として描かれています。
静かな中にも芯の強さを秘めたキャラクターです。

一方、ドラマ版の江波(寺島進さん)は、明るく親しみやすい“普通のおじさん”として描かれ、地域住民との交流も積極的で温かみがあります。
自転車で移動するといった日常的で人間味のある演出も加わり、エンターテインメント性を強めた作品に仕上がっています。

つまり、原作はより繊細でリアルな人物描写を重視し、ドラマは視聴者が共感しやすい親しみやすさを前面に出したアレンジがされているのは仕方ないですね。

私は静かなおじさんの方が好きです(笑)。

現時点ではネットでテレ東で駐在刑事Season3を無料配信中

感想

『駐在刑事』は、ただのミステリー小説ではなく、地域に根ざした人々の暮らしを感じさせてくれる作品でした。

奥多摩という舞台は、事件の背景であると同時に、そこに住む人々の息づかいや温かさを浮かび上がらせています。
都会の刑事小説に比べて派手さはありませんが、山の生活で感じる空気感を楽しむことができます。

江波という人物は静かでナイーブでありながら、責任感を持って住民に向き合う姿に誠実さを感じます。

それがだんだん地域の人々に認められていく過程も読んでいて心地よかったです。

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